オオセグロカモメ Larus schistisagus
Slaty-backed Gull

2014.12.23 オオセグロカモメ成鳥冬羽 撮影:寺沢 孝毅

全長:64cm 環境:海岸・漁港
留鳥として一年を通して記録される。
天売島での観察時期:1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12月

特徴

 オオセグロカモメはハシブトガラスよりも一回り大きい。成鳥は嘴は黄色く、下嘴先端付近に赤い斑が入る。眼瞼は紫からピンク色、虹彩は薄い黄色の個体が多いが、少数暗褐色の個体もいる。背は暗灰色で、初列風切P10〜9にミラーが入る。尾羽は白く、天売島内で繁殖するカモメはウミネコとオオセグロカモメの2種のみなので、尾羽を見れば識別ができる。足は肉色で、これもウミネコとの識別が可能であるがうみねこの幼鳥は足の色がピンク色なため注意が必要である。

天売島での観察時期

 天売島では周年観察されるが、冬季は個体数が少ない。3月に入ると大きい群れが飛来し、繁殖場所では求愛や造巣の光景が見られる。5月上旬から抱卵がはじまり、5月下旬頃からヒナが孵化するため、海鳥観察舎に設置されている無料望遠鏡からごま塩模様のヒナの姿を観察できるようになる。また、この時期からオオセグロカモメがウミネコや海鳥のヒナを襲う光景が見られはじめる。6月にはヒナが成長し、巣の周辺を歩き回りはじめ、7月に入ると飛翔できる幼鳥が増える。次第に繁殖地から分散し、天売島周辺の沿岸で狩りの練習をしている。9月には多くの個体が南下し姿が見られなくなるが、漁港で漁師の廃棄した魚などを餌として依存している少数のオオセグロカモメは居残る。

2018.11.8 オオセグロカモメ第一回冬羽 撮影:寺沢 孝毅

2019.4.24 オオセグロカモメ第三回夏羽 撮影:寺沢 孝毅