ウミネコ Larus crassirostris
Black-tailed Gull

2019.09.14 ウミネコ成鳥冬羽 撮影:今堀 魁人

全長:47cm 環境:海岸・漁港
夏鳥として春先から初冬にかけて記録される。
天売島での観察時期:2・3・4・5・6・7・8・9・10・11月

特徴

 ウミネコはハシブトガラスよりも一回り小さい。成鳥は嘴は黄色く、先端付近に黒と赤の班が大きく入る。眼瞼は赤く、虹彩は薄い黄色で、一見すると厳つい顔立ちに見える。背は暗灰色で、ほとんどの個体は初列風切にミラーが入らず、入ってもP10もしくはP9に小さく入る。尾羽は先端に黒帯が入り、また国内で成鳥の尾羽に黒帯があるのはウミネコだけである。

天売島での観察時期

 天売島では3月に入るとウミネコが飛来し、繁殖場所では求愛や造巣の光景が見られる。4月下旬から抱卵がはじまり、5月中旬頃からヒナが孵化する。この頃から夕方赤岩展望台でウトウから餌を略奪するため集まるウミネコが多く見られるようになる。6月にはヒナが成長し、巣の周辺を歩き回りはじめ、黒崎海岸へ向かう海岸道がウミネコの親子で埋め尽くされるため、車両での通行の際は引かないよう注意が必要。7月に入ると飛翔できる幼鳥が増え、次第に繁殖地から分散し、天売島周辺の沿岸で狩りの練習をしている。8月には南下していき、天売島で繁殖する個体はほとんど見られなくなるが、渡りで通過していく個体を11月頃まで少数見ることができる。