タヒバリ Anthus rubescens japonicus
Buff-bellied Pipit

2015.11.5 タヒバリ成鳥冬羽 撮影:寺沢 孝毅

全長:16cm 環境:森林・市街地・草原
旅鳥として春から初夏にかけてと秋に記録される。
天売島での観察時期:4・5・10・11月

タヒバリの亜種について

2020.11.5 タヒバリ冬羽 撮影:寺沢 孝毅

日本で観察されるタヒバリは、亜種タヒバリA.r.japonicusが主となっています。しかし、タヒバリの基亜種である、亜種アメリカタヒバリA.r.rudescensも日本鳥類目録第7版で検討種として掲載されています。2020.11.5に亜種アメリカタヒバリにも類似した、亜種タヒバリと見られる個体が観察されたのでその識別点を記載します。

・胸から下にかけての斑

亜種タヒバリ……濃く太い斑が入り、斑が重なり線状に見えたり、特に首付近の斑が黒く筆で塗ったように見える個体が多い。
亜種アメリカタヒバリ……斑が暗灰色程度に淡く、特に胸の斑は細かいため亜種タヒバリのように線上に見えることが少なく、斑が滲んだように見える個体もいる。

・上面の体色

亜種タヒバリ……濃く、若干オリーブ色をした灰色をした個体が多い。
亜種アメリカタヒバリ……淡い灰褐色をした個体が多い。

・下腹部

亜種タヒバリ……下腹部に明瞭な斑が入り、地色が白色の個体が多い。
亜種アメリカタヒバリ……下腹部に班はあまり入らず、入っても褐色の斑の個体が多い。地色は淡褐色をした個体がほとんどで、第一回冬羽の個体に一部地色が白い個体も見られる。

・頬線

亜種タヒバリ……明瞭で黒い線が入る。
亜種アメリカタヒバリ……あまり入らず、うっすらと入っている個体が多い。

・脚

亜種タヒバリ……より明るい肉色
亜種アメリカタヒバリ……成鳥冬羽は暗肉色の個体がほとんど。

上記の識別点から、写真の個体は黒く濃い斑ではあるが、斑は小さく、背の色は淡褐色。下腹部にも明瞭な斑が入っており、地色は淡褐色を帯びている。頬線はごくわずかに見られ、足は明るい肉色であり、両亜種の特徴を併せ持った個体である。しかし、足の色は肉色であるが、成鳥冬羽で肉色をした亜種アメリカタヒバリは見られず、脚の他の識別点も含め総合的に判断して、亜種タヒバリと判断した。
特に日本海側の離島である天売島では、今後も上記ような頭を悩ませる個体が見られる可能性が高く、慎重に識別点を精査した上で、総合的に亜種を判別していく必要があるだろう。

タヒバリの亜種について

2020.11.5 タヒバリ冬羽 撮影:寺沢 孝毅

日本で観察されるタヒバリは、亜種タヒバリA.r.japonicusが主となっています。しかし、タヒバリの基亜種である、亜種アメリカタヒバリA.r.rudescensも日本鳥類目録第7版で検討種として掲載されています。2020.11.5に亜種アメリカタヒバリにも類似した、亜種タヒバリと見られる個体が観察されたのでその識別点を記載します。

・胸から下にかけての斑

亜種タヒバリ……濃く太い斑が入り、斑が重なり線状に見えたり、特に首付近の斑が黒く筆で塗ったように見える個体が多い。
亜種アメリカタヒバリ……斑が暗灰色程度に淡く、特に胸の斑は細かいため亜種タヒバリのように線上に見えることが少なく、斑が滲んだように見える個体もいる。

・上面の体色

亜種タヒバリ……濃く、若干オリーブ色をした灰色をした個体が多い。
亜種アメリカタヒバリ……淡い灰褐色をした個体が多い。

・下腹部

亜種タヒバリ……下腹部に明瞭な斑が入り、地色が白色の個体が多い。
亜種アメリカタヒバリ……下腹部に班はあまり入らず、入っても褐色の斑の個体が多い。地色は淡褐色をした個体がほとんどで、第一回冬羽の個体に一部地色が白い個体も見られる。

・頬線

亜種タヒバリ……明瞭で黒い線が入る。
亜種アメリカタヒバリ……あまり入らず、うっすらと入っている個体が多い。

・脚

亜種タヒバリ……より明るい肉色
亜種アメリカタヒバリ……成鳥冬羽は暗肉色の個体がほとんど。

上記の識別点から、写真の個体は黒く濃い斑ではあるが、斑は小さく、背の色は淡褐色。下腹部にも明瞭な斑が入っており、地色は淡褐色を帯びている。頬線はごくわずかに見られ、足は明るい肉色であり、両亜種の特徴を併せ持った個体である。しかし、足の色は肉色であるが、成鳥冬羽で肉色をした亜種アメリカタヒバリは見られず、脚の他の識別点も含め総合的に判断して、亜種タヒバリと判断した。
特に日本海側の離島である天売島では、今後も上記ような頭を悩ませる個体が見られる可能性が高く、慎重に識別点を精査した上で、総合的に亜種を判別していく必要があるだろう。